HOME > 先輩の声 > 勇内山 英暢(わかば薬局)

先輩の声

在宅医療を選択した患者さんに、出来る限りの支援がしたい。

入社2年目のインタビュー

勇内山 英暢
わかば薬局 薬剤師
2014年入社 新卒入社 新潟薬科大学卒

学生時代の「できなかった」を「できる」環境へ。

――まずは外苑企画商事への入職理由を伺えますか?

病院に進むべきか、薬局で働くべきか。就職活動中は、どちらに進むかとことん悩んでいました。そんな時にたまたま参加した合同説明会で、「外苑企画商事ならば、両方とも経験できますよ」というお話を聞いたんですね。で、この環境はすごくいいなと。それに在宅医療の支援活動を熱心に行っている。これも、私にとっては大きなポイントになりました。

――学生時代から、在宅支援に興味があったのですか?

ありました。学生時代の実務実習でも、訪問服薬指導に関わったんですよ。ただ、私がお世話になった薬局では、支援対象をデイサービスの施設やグループホームに絞っていました。そのため、私がイメージしていた「一人でお困りの在宅患者さんをケアする」という活動はできなかったんです。その「できなかった」というのが心にずっと引っかかっていて。ここでならば叶えられるのではないか、と感じられたのが外苑企画商事だったのです。

日々の経験から、ケースバイケースの対処法を学ぶ。

――実際に入職してみて、イメージとのギャップはありましたか?

入職前に見学はしていたんですが、それでも1年目は患者さんの多さに面喰いました(笑)。ただ、ここで薬剤師の第一歩を踏み出せて本当によかったです。年齢も、性別も、症状も本当に様々な患者さんと毎日向き合い、一人ひとりのお話を伺いながら服薬指導を行う。その経験をコツコツと積み重ねたおかげで、薬の知識も、対話スキルも、基礎の基礎から磨くことができましたからね。

――2年目からは在宅支援の研修も始まると伺ったのですが、そちらはいかがですか?

はい、私の場合2年目の5月頃から始まりました。わかば薬局では、私を含めた7名ほどでチームを組み、約40件の在宅患者さんを支援しています。今はほぼ専念させていただいていて、多い時には1日に1人で4~5件の患者さんを訪問して、長い時にはお1人と40分以上話し込むこともあります。だから、最近は薬局にいる時間の方が短いかもしれません(笑)。

――訪問が終わって、薬局に戻られた後はどうされるんですか?

全訪問の終了後は、わかば薬局でチームの方々と集まり、「今日の患者さんなんですが・・・」と、お互いに相談しあうのが日課になっていますね。といっても、頭ごなしに“こうすればいい”と考えを押し付けられるということはありません。これまでの経験や深い知見をベースに、一緒に悩み考え抜いてくれるというか。「その患者さんにとってベストな指導は何か?」を一緒に模索しながら、ケースバイケースの対処法を学べるのは本当にありがたいです。

在宅訪問でなければ、できない支援がある。

――入職前から希望していた在宅支援に、実際に携わった感想は?

何というか、在宅支援には“正解”がないなと感じています。訪問前には、必ず過去の診察結果や現在の服薬状況など、様々な情報を頭に叩き込み、最適な服薬指導を検討します。それでも、暮らしぶりを拝見して、それを踏まえて患者さんとお話ししてみて、そこで初めて分かることが数えきれないほどあるんですよね。

――生活の場に訪れて分かることとは?

例えば、今私が担当している方に、神経痛で困っている患者さんがいます。ただ、自宅へ伺ってみると痛みとは関係なく、ふらつきが出ていたり、目にもどこか力が感じられなかったんですね。で、これはおかしいなと、ゆっくりとお話を聞いてみたんです。

――何が原因だったのですか?

その方は、痛みがツラくなるたびに「他の先生に診てもらおう」と、新しい病院・新しい調剤薬局に足を運んでいたそうなんです。その結果、病院ごとに種類の違う痛み止めが処方されて、体がツラい時にはそれを全て飲んでしまうらしいんですね。実際に処方された薬を調べると、眠気が出るものも多く、これが原因だと分かりました。そこで、「痛みと相談しながら、薬を一つにまとめていきましょう」と服薬指導を行いました。

――薬を出すだけでなく、時には「減らす」提案も必要なんですね。

そうですね。患者さんの性格などもありますし、一人ひとり本当に求められる判断は違います。でも、だからこそ、薬の専門家としての存在価値がある。まだまだですが、経験を重ねるほどそんな想いが強くなっていますね。

目指すのは、患者さんの声を受け取る薬剤師。

――勇内山さんの今後の目標を伺えますか?

今はまだ目の前のことで精一杯で、まだ将来のことは見えないです。3年目からは病院薬局での研修が始まる予定ですが、そこでも患者さんと直接お話しして、相手の考えをしっかり聞いて、薬の専門家としてできることを考える…という行動は、ブレずに続けていきたいです。それこそが、自分にとって何よりのやりがいだと思っていますから。

――では最後に、就職活動に取り組む学生の方へ、メッセージをお願いします。

気になる会社や薬局があれば、たとえ面倒でも説明会や現場見学に直接足を運ぶことをお勧めします。在宅訪問と似ていて、就活も事前情報だけではイメージできないことも、実際に会って話せば分かることがたくさんありますからね。特にやりがいを感じられる仕事がしたい方こそ、労を惜しまず頑張ってもらえればと思いますね。