先輩の声
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横尾 浩也
たくみ外苑薬局 薬剤師
2009年 中途入社 (前職:病院薬局勤務) 共立薬科大学卒
「たくみ外苑薬局」で出会った理想の医療
――まずは、外苑企画商事に入社するまでの経緯からお聞かせください。
子どもの頃、祖父が長く入院していたこともあり、将来は医療に携わる仕事に就きたいと思っていました。それが薬剤師を目指したきっかけです。
それからは、迷っては進んでの繰り返しでしたね(笑)。
薬科大学を出た後、ある病院に6年ほど勤務していたのですが、そこで薬剤師としての自分の在り方を見失ってしまったんです。患者さんとって良いと思う医療をいくら追求しても、結局は自分止まり。周りの医療スタッフは、仕事のことで頭がいっぱいになっていて、一番大切な患者さんへの配慮が少し欠けているように思えました。一人の力で組織を変えることもできず、それならいっそ自分自身が医師になって患者さんに優しい医療を提供したいとさえ思っていました。
そんな迷走の時期を経て、言葉だけではなく患者さんを第一に地域医療に貢献してきた当社へと転職してきたのです。
――外苑企画商事の薬剤師となって、薬剤師としての理想の姿に近づくことはできましたか?
はい、ここには理想以上の環境がありました。
入社からの5年間を「たくみ薬局」で過ごしたのですが、患者さんに寄り添っているという実感が持てて、とても充実した日々でしたね。病院との連携も円滑で、すべての医療機関が一丸となって患者さんを支えているといった印象でしたね。
――病院との円滑な連携が取れている具体的な例を教えてください。
たとえば、退院が決まった患者さんを病院薬局から調剤薬局に引き継いでもらうための退院時指導という書類があります。ただ義務ではないこともあり、前の病院では、この書類を作る薬剤師がほとんどいませんでした。もちろん、調剤薬局側は引き継いだ患者さんの対応に困らなくなるので、あった方がいいに決まっています。
一方、「たくみ外苑薬局」は、書類の必要もないくらい病院薬局と密に連絡を取り合っていました。だから患者さんを引き継ぐ時点で、患者さんの情報を事細かに得られているんです。
ここまで患者さんに対する姿勢が違うものかと、入社当初は驚きましたね。
――今は特に在宅支援に力を入れていると伺ったのですが、その理由は?
当社は、薬剤師一人ひとりに専門分野を持つことを推奨しています。
たとえば、HIVや糖尿病患者さんの支援など。会社が、認定資格を取得できるように資金面など手厚いバックアップをしてくれるんです。私は、「たくみ外苑薬局」で初めて在宅患者さんの支援に携わって、とてもやりがいを感じていたんですね。それで、いつか在宅支援に特化した資格を取りたいと思うようになりました。
人とのふれあいから学んだ大切なこと
――在宅患者さんの支援を通して、どんなやりがいを感じていたんですか?
やりがいはたくさんありましたが、その根底にあるのはやはり「人と人とのふれあい」ではないでしょうか。
都心とは言え、独居の方も少なくないんですね。だから中には、私が来ることを楽しみにしてくださる方もおられます。そういう方とは時間の許す限りお話しして、不安な気持ちを和らげるように努めていました。
――在宅患者さんとのふれあいの中で印象に残っているエピソードがあれば、ぜひ教えてください。
どの方とも、忘れられない思い出があります。一つ挙げるとすれば、福祉施設で暮らしていたある認知症の患者さんとの出来事です。
実は私は来月から東葛病院の院内薬局に転勤することになったのですが、先日、その旨を伝えると、「この人、本当に良くしてくれたの」とポロポロと涙を流しながら施設に職員やお友達に一生懸命説明してくださるのです。「次の職場は大丈夫なの?」と、自分のことよりも私のことを心配してくださり、うれしさと淋しさで目頭が熱くなりました。
患者さんへの気持ちって伝わるんだって思いましたね。そうした経験があるからこそ、病院に来た今も患者さんを第一に仕事に取り組めています。
――前職で病院薬局、「たくみ外苑薬局」で調剤薬局を経験したことで、薬剤師としてどのような意識の変化がありましたか?
点でしか見られなかった患者さんを、面で見られるようになったと思います。
病院では入院中の患者さんを苦しめる病気のある一部分しか見られません。一方、調剤薬局では、退院する前の患者さんが一番つらい時期を知りません。
つまり、視野が限定されてしまうんですよね。
病院と調剤薬局、それぞれが独立してしまうと、患者さんに対する考え方も変わってきますし、本当のチーム医療は実現できないと思います。
個人的な意見ですけど、薬剤師になるなら、調剤薬局と病院薬局の両方を経験するべきだと思いますね。
処方せんの向こう側にいる患者さんのことを想う薬剤師に
――率直な意見を聞かせてほしいのですが、外苑企画商事に来て良かったと思いますか?
はい、良かったです。きっとこれから入社される方もそう感じると思いますよ。 薬剤師は「生涯学習」と言われる職業ですが、本人に勉強したいという意志があっても、させてもらえない職場が少なくないんですね。そういう意味で当社は、研修や学会にも参加できるよう費用と環境の面でバックアップしてくれますし、薬剤師一人ひとりの成長を心から願っていると感じます。 そして何より、人がいいですよね。落ち込むことがあれば必ず励ましてくれますし、うれしいことがあれば一緒に喜んでくれます。だからみんな笑顔で働けているんでしょうね。
――最後に、これから薬剤師としての第一歩を踏み出す学生の皆さんにメッセージをお願いします。
きっと皆さんも感じていると思いますが、これからの薬剤師に求められていることはますます増えていきます。
ただ、誰のために6年の時間を費やして学んできたのかを忘れないでください。
自分や会社や病院のためではなく患者さんのためです。
ですからぜひ、処方せんの向こう側にいる患者さんのことを想う薬剤師になってください。
――本日は、ありがとうございました。